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 〜〜 スイム 〜〜

 スイム最終登録は4:45分からキンカメ・ホテルのテニスコートで行われる。DVDで何度も 見たシーンだ。ボディナンバリングの文字は他のアイアンマンよりも油性が強く(?)し っかりと肌に乗る。そのままバイク/補給食セットへ。スペシャルドリンク(レッドブル にBCAAを混ぜたもの)をエアロボトルに。ゲーターレード2本をフレームとサドル後ろ のゲージに。パワーバーの1本をちぎってフレームのトップ・チューブにペタペタ。もう 一本は1/3にカットしてステムにペタペタ(レース後大変だけど食べやすさ優先)。パワー ジェル6袋と梅しそチューブ(どうして「しそ」入りか? 日本で買い忘れて、コナのス ーパーでしそ入りしか見つからなかった)をBento-Boxに入れる。ポンプはボランティア が持っていて待たずに簡単に借りられる。

 ここまで済ませてもまだスタートまでに時間がある。ホテルまで戻って約30分間目を閉じ て身体を休めた。6時20分になってのそのそとスイム会場まで移動。ここまで来るとあま り緊張感はなく、知人と話しながらスタート時間を待つ。約5分前になってスタート地点 までゆっくりと泳いで移動。水温はやや冷たく感じるが問題ない。

 大砲の音とともにスタート。流石に1,700人位集まると最初の混雑は、他のアジアのアイ アンアンマンとは比べられない。しかし流石に参加者のレベルは高く、いきなり横から平 泳ぎのキックが飛んで来ることはない。

 折り返しのヨットまで来ても多少の混雑は緩和されたものの、相変わらず大きな欧米人に 囲まれて泳いでいる。そんな集団で終盤まで行って、最後の最後で、スイムゴールまで行 く左カーブを大回りしてしまい、ややタイム・ロス?

 体力的には殆ど消耗感はないが、トランジションで時計を見ると1時間22分を過ぎてい る! Blue Seventy効果無し? マジ!?。


 〜〜 バイク 〜〜

 スイムを終えて、「あぁ〜あっっ」と思いながらバイクラックに向かう、結構空席のバイク ラックが並ぶ。「マジかよぉ〜。」そう言っても仕方ない、バンコク3年間の合宿の集大成 だ、とバイクコースへ。

 DVDで何度も見ている、バイク・コースインのシーンを過ぎた。憧れのQueen-Kに入る までに少しの間我慢してコナの街中を走ることになる。その時、自分の前には結構な集団 が走っていて、その集団を出来るだけ心拍数を上げない様にしてパスする。この辺りでは ドラフティング・ゾーンよりも、前走者をスムースにパスしていく事に集中した。時折「コ イツには敵わない!」と思わせるバイクに抜かれる。「コイツは後で抜く!!」と見抜けるバ イクにも抜かれる。

 そうこうしながらパラニ・ロードの観衆の待つ上り坂へ。確かに観客の数は多い。でも観 客の盛り上がりから言ったら、IMドイツの「ハートブレーク・ヒル」の方が凄かったなぁ 〜。

 さていよいよQueen-Kだ。やや上り基調だが緩やかにローリング・ヒルが続く、追い風か? スピードの乗りも良い。今回もバイクでの僕のペースは、「HR82%Max.のケイデンス85 回転Min.」だ。これで今年のランカウイは5時間17分、チャイナは5時間32分だった。 今回の目標タイムは5時間30分切り。

 Queen-Kに入って前方集団は見えるには見えるが、そう近くもない。心拍数は85%を越え てアラームが鳴りっ放し、でも脚は重くないし呼吸もキツくない。そのまま少しずつ前に 追い付きながら進む。途中知り会いのN村さんに会う。今年のロッタリー抽選に通った2 人の日本人のうちのラッキーなお一人だ。「あれっ?N村さん、随分前に居ますね?」そう いってパス・・・、出来ずにN村さんに横に並ばれる。「?」、と思うとN村さん、何とポ ッケからデジカメを取り出し、「松岡さん、ポーズ!ポーズ!!」写真を撮ってくれた。感謝 しながらN村さんを引き離す。

 カワイハエなるところでQueen-Kに別れを告げる。この先は左に海を見ながらやや上りが 強くなる。また山側から海に吹き降ろす風が時折強く吹き、大きくバイクを右に傾けなが らの走行を強いられる。そしてハヴィの折り返しに向けて強くは無いが勾配が続く。Frア ウター、DHポジションでも行ける位。この辺では雑誌で良く見る強豪エイジの方々をすれ 違いで、また追抜きながらお見掛けする。「おっ、悪くないかも!?」今思えばここで残すべ き体力を使い過ぎてしまっていたのだった。舞い上がり過ぎ。

 ハヴィの折返しを過ぎると今度は逆に下りだ。と、思うにも横風が怖くてDHポジション が取れない。正確には左後方からの追い風で、上手く身体を乗せると、身体と車体全体で 帆の様に風を受けてヨットの気分。しかし、一瞬でも風が弱まると大きく左に体重・車重 が崩れる事になる。これがまた怖い。一度はセンターラインを跨いで走るプレス車にぶつ かる気がしてマジでビビッた。情けなくも両手でハンドルもって時にブレーキ掛けながら 折角の下りを生かし切れなかった。

 カワイハエまで戻り、再びQueen-Kに戻る。この辺りではほぼ同じ走力のバイクが続き、 抜きも抜かれもしなくなってくるが、どうも体調がおかしい。汗をかいていない自分に気 付く。風でスグに蒸発していたのか?普段のレースでは残り120kmから調子も上がってく るのに、今回はパワーがみなぎって来ない。梅しそチューブも定期的に摂っており、エイ ドでもゲーターレードと水を不足なく取っていた筈なのに。ついに脚が攣り始めエイドで 止まり、ヘルメットを脱ぎ頭からボトルの水を2本被る。バナナを貰って一呼吸おき、再 出発。脚の攣りは納まっていたので、軽めのギアでケイデンスに集中しながら進む。普段 はサイクルメーターの距離計は見ずにレースするのだが、今回はたまらずメーターの表示 を切り替える。「後40km!?」この時点で5時間30分切りは無理と分かり、これまでの自信 が崩れ落ち情けなくなる。ハワイ出場の諸先輩方から「ハワイは記録じゃないよ、楽しも う!」と言われていたものの・・・。

 コナ空港を過ぎれば残り15kmもない。でも踏み込むと右足が攣る、という状態のままバ イク・フィニッシュ。結果で見れば5時間54分。24分の目標オーバーは自信過剰で自分 を見失っていたからだろうか。出直しだ。


 〜〜 ラン 〜〜

 バイクをちょっとがっかり終えた後は最後のランだ。トランジションではバイク用のソッ クスからラン用に履き替える。はっきり言ってランは苦手(でも今はスイムの方が苦手か も・・・。)だ。とある参加者から「ランで4時間切ってないのはハワイ参加者の中では松 岡さん位ですよ。」と・・・。

 ランはコナのダウンタウンをぐるりと回ってから、アリィ・ドライブを約8km行って折返 し、観衆の待つパラニ・ロードを上って、Queen-Kに、ナチュラルエナジーラボまで行っ て折り返してゴール。でもそこそこの起伏を時折通過しなければならない。

 最初の折返しまでの間に、日本人の強豪エイジたちとすれ違う。雑誌で見た顔も沢山見か けた。流石ハワイだ。最初の折返しで異変が起きた。タイミング・マットで通過音「ピィ ー」がしない。戻ってもう一回。「・・・。」右足首を見て愕然、「タイミング・チップが無 い!」折返しのスタッフに、「どうしたら良い?」と聞いたら「Go! OK! GO!」半信半疑で 進む。絶望感とともに。途中で「Asia Runner」の女性記者Annaを見つけ事情を話すと、 彼女は「無線で相談するから大丈夫!」と言う。彼女の雑誌の中で、僕の写真を Singapore70.3の記事の中で使ってくれていたことで知合った。IMチャイナにも彼女は取 材で来ていて、ランの途中で声を掛け合ったのだった。凄いな、ハワイって。人との巡り 合いって。

 パラニ・ロードを上って再びQueen-Kへ。ここから単調な10km強の往復だ。ランの地力 の無さを披露しながらジョギング状態で歩を進める。所々で日本人応援団が声を掛けてく れる。フィリピン人のAni(元オリンピック・ディスタンス・チャンピオン)の彼氏のフラ ンス人パトリスが声を掛けてくれる。「Hi, Mat, Go Ahead! Many Japanese follow you!」 そう言われてもこれが目一杯なの。

 ナチュラル・エナジー・ラボの折返しまでは、近そうに思えて中々辿り着かない。そうし ながらお腹の変調が。「しまった、正露丸飲むの忘れた!」レース前には忘れなかったが、 ラン・スタート時に飲み忘れていたのだ。舞い上がり過ぎ?トイレを探しながら3−4回ガ ス大爆発しながら・・・、日は暮れ初め、日没前フィニッシュの目標にも逃げられそうだ。 Queen-K最後の上りでついに両足内ももが攣り後ろ歩きを3分。ここで完全日没。

 スタート前に迷ったのだが、結局自分へのプレッシャーも含めていつものOakley Racing Jacketを選んでいた。僕はコンタクトレンズが苦手で度付きサングラス愛用者なのだ。し ばらく足元が見えない。でもコーナーを曲がって会場の音が聞こえる所、沿道の応援が始 まる辺りではライトもそこそこあり安心して走ることが出来た。ぐるっと迂回路(結構長 い1km以上あるかも)を「Good Job!, Well Done!」の声援を受けながらアリィ・ドライブ に入る。そこはフェンスもなく、多くの選手・応援・ローカルたちが寄って来て声を掛け てくれる。ここに来ると不思議と身体のどこもキツくない。気持良く疾走ってゴールライ ンへ。DVDで見たシーンを自分の目線から追っている。MCの軽快なアナウンスと明るく ライトアップされたゴール・アーチ前では、「コナを走った最初のタイ人らしく前後左右に ワイ(タイのお辞儀)をしてから両手を上げてゴール。(ジモ様見ててくれて有難う。) いつもと違ってその後スグに休むことは出来ない。タイミングチップ・ロストをスタッフ に告げ、経緯をオフィシャルに告げ、手続き済むまでそこで足止め。10分位してオフィシ ャルから正式ゴール決定の連絡を受けた。それからゴール・メダルとタオルを受け取った。 ホッっと安堵に胸を撫で下ろす。感謝すべきはゴール後のボランティア。ずぅっと最後ま で面倒を見て貰った。

 ゴールタイムは11時間42分04秒。翌日のオフィシャル発表では11時間43分。タイムも 順位も、ちょびっと正確ではないけど、自分のせいだから。


 〜〜 ゴールの後 〜〜

 1000番前後のゴールだと選手会場内はとても多くのアスリートたちが思い思いにくつろい でいる。僕はゴール後の手続きで興奮も冷め、そのまま一人でバイクとバイクバック・ラ ンバック・プレスイムバックをピックアップしてホテルに戻り、シャワーを浴びてビール を飲んでいた。さて、そろそろ知合いでも探しに行こうか、という時に携帯がなった。ハ ワイ3回目のベテラン強豪エイジからだ。「松岡さん、軽く飲んでから最後の走者の応援に 行こう!」、お待ちしてました。コナのすし屋でビールと白ワイン、お刺身とオニギリを美 味しく頂いた。それから今年のレースの最終走者を応援にゴール・ラインへ。

 フィリピンのAni、フランスのパトリスと偶然に出会い、最後のゴールを見守った。


 〜〜 マイティTシャツとアワード・パーティ 〜〜

 植木さんから無理言ってレース前に準備してもらったマイティTシャツをアワード・パー ティに着て行った。(右画像:国内最強のロングエリート河原選手と一緒に)

 宮塚さん「あれぇ?マイティだったの?植木さん良く知ってるよ。あと後ろで髪の毛結ん でて良くしゃべる人いたよね?」「誰でしょうね・・・?」

 山本光宏さん「市川だったら、山根のところで練習してんの?」「いいえ、最近マイティっ ていう市川のチーム入ったんです。」「えっ、マイティ?はははマイティ?」

 大阪弁の先輩女性エイジ「マイティさんは全国区ですか?キャファ通信に出てくる長いレ ポートの人、面白いわねぇ。」

 川上センセーからは、女史のトライアスロンのロングにおけるランの哲学を垣間見た。バ イクで抜かれてもその相手を見れば、ランで抜けるかどうか分かるそうだ。何人のマイテ ィ戦士が餌食となったことか。(右画像:川上センセーと一緒に)

 さて、アワード・パーティ。その規模はIMドイツとどっこいか?向こうはモーターショー も行うような大ホールで行うので音響感と集合感では一歩譲るか?勿論他のアジアのIM とは較べものにならない規模だ。100数十人の日本人は大きく3〜4グループに分かれ位置 取っていた。バッフェ・スタイルの食事はそれ程待たされること無く、座席に着くことが 出来る。ビールはタダだ!やった!!

 やや長いハワイ島の民族ダンスの後、アワードは始ま った。しかしエイジの表彰が進む中、ポツポツと雨が降り始め、女子優勝のクリッシー・ ウェリントンのスピーチで雨足は最大に、殆どの参加者は後方の大テントに避難している。

少しして突然にスクリーンがブラック・アウト。20数年に亘りハワイを見ている人が言う...

「始めてのアワード・キャンセル」。


 〜〜 最後に 〜〜

 初ハワイがアイアンマン・ハワイの30周年、そしてレース日は後厄迎える42歳の誕生日。 やり残した事は沢山あるアイアンマン・ハワイ。でも気軽に「また来ます。」と言えない難 しさのあるハワイ。エイジカテゴリー・選択するレースによる神頼みはあるのかもしれな いけれど、またいつかあのコナの地を踏める様に頑張ろう。

 3年間のタイ合宿を与えてくれた(?)会社と同僚たち、バンコクのタイ人バイク乗りたち、 バンコクの欧米人トライスリートのみんな、バンコク・シンガポール・マレーシアの日本 人トライアスリートたち、9月から仲間に入れて貰ったマイティの皆さん、そして家族に感 謝したい。

 はじめてレポート書きました。脈絡ないし長いし、ここまでお読み頂き有難うございまし た。

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